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キャッシュレス待ったなし! 自費診療決済の現状とメリット

キャッシュレス待ったなし! 自費診療決済の現状とメリット

 昨今、日本はキャッシュレス化が進んでいます。しかし、海外のキャッシュレス化の現状では、韓国93.6%、中国83.0%、オーストラリア67.7%、英国63.9%、カナダ56.1%、アメリカ55.8%と主要各国は50%以上にもかかわらず、日本は29.8%となっています(*1)。コロナ禍で加速したとはいえ、キャッシュレス化指数を世界的に観ると日本は遅れています。理由としては世界の中でも日本は、現金の信頼性が高く、銀行のATMやコンビニのATMの数が多い、利便性が高い、さらに自販機・自動釣銭機の普及によりレジ処理が速く、正確であることなどが考えられます。ある程度キャッシュレス化は進んだと言えるかもしれませんが、諸外国ほどの加速はせず、現在のようなキャッシュレス化の進捗状況がこれからも続くのではないでしょうか。

 (*1) 一般社団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ2022」(2022年6月)世界主要国におけるキャッシュレス決済比率(2020)から抜粋

歯科医院においても同様で、日々現金のやり取りは少なくなってきています。歯科医院でキャッシュレス決済が使われる場面は、自費診療の支払時が多いのではないでしょうか。実際の現場における自費売上の支払い方法は次のような種類があります。

デンタルローン利用はあまり多くはないですが、矯正治療、インプラントなどの長期治療において、「お金が貯まるまで治療を待てない方」に有効です。最近は患者さん自身がインターネットで事前に審査を受けることが可能になったことで、歯科医院の受付業務も簡便になりました。

例としてある歯科医院(東京都内 自費診療 55% 保険診療 45%)の3年間の自費売上の支払い方法から見てみましょう。

この歯科医院ではクレジットカードから現在のキャッシュレス化に至るまで、導入してから約18年経過しており、患者さんには「支払はカードで」が浸透しています。2022年度の自費診療の支払いは75.6%、とキャッシュレス化は前年を上回っていて、現金の取り扱いが減ってきていることが分かります。

キャッシュレスがある程度常識化している以上、まだ導入していない歯科医院は早期に導入計画を進めていったほうが良いでしょう。先ほど紹介した歯科医院では、保険治療の負担金も、電子マネーやQRコード決済が40%以上になっています。患者さんにとっても、自費診療で必要な数十万単位の現金を持ち歩く不安がなく便利です。スピーディーな決済はもちろんですが、支払い履歴が残ることや、ポイントが貯まることも大きなメリットになります。自費診療の割合が多い歯科医院ほどキャッシュレス決済が当たり前になっていると考えられます。
 また様々なキャッシュレス決済が可能になることが、結果的に患者さんの利便性が向上し、集患につながっていくと想定されます。受付においても、保管する現金が少ない方が安心・安全であることは間違いありません。導入初期は受付でのオペレーションが増えますが、作業に慣れてくれば、結果的に現金管理に要した事務負担や事件・事故のリスクが減ります。キャッシュレス決済導入にあたっては、各社クレジット会社やデンタルローン会社との契約業務に時間がかかるので早めに着手することも忘れてはなりません。
 導入後は、キャッシュレス会計とクラウド型POSレジを連携することで、1日の売上、患者数、支払い種類別、治療メニュー別などの売上に関するすべてのデータを簡単に収集し、リアルタイムで閲覧するなど発展的な活用も可能です。これまで忙しく売上の分析が出来なかった方や今までエクセル等を駆使し手作業で作っていた方にとっては画期的と言えるでしょう。
正確なデータに基づく意思決定は歯科医院経営にとって重要な要素となります。

受付会計のキャッシュレス化は歯科医院経営・歯科DX化の初めの一歩と言えるでしょう。

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