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コラム【第10回】経営データ、十分活用できていますか?~歯科医院における分析の重要性とは~

医療経営において、財務はもちろん様々な経営データが必要です。記帳業務や財務諸表作成など顧問税理士に依頼して決算を行うことは一般的ですが、歯科医院は月次データをリアルタイムに把握し、翌月の業務に活かしていく必要があります。言い換えれば決算のための記帳業務等は少しゆっくりでも構いません。大事なことは、一般企業でいうところの、営業報告書に代わる「診療実績分析表」や「窓口日計表」を充実させて日々活用することです。が、実際にはあまりデータ管理をしていない歯科医院が多いのも事実です。

 

1.窓口日計表は日毎に来患者数、診療保険点数、保険負担金、自費収入、アポイント数、キャンセル数などが必須項目です。毎日把握することで過去の実績と比較し、月中(15日)には今月のおおよその売上が予想できます。

今月の売上予想が見えればその後の仕事レベルは変わってくるはずです。正確な窓口日計表は税務上の会計日報としても使うことが出来ます。昨今はなんでもソフト(レセコン)から日報、月報が自動生成されますが、内容が使う側の意図に合わない場合があり、あまり役に立ちません。自院で独自に作ることで日々の理解度も増し、経営意識が変わるはずです。

 

2.診療実績分析表は月毎に12カ月分を把握します。診療日数、来患者数、レセプト件数、レセプト総点数、1回当たりの診療点数、新患数、再初診数、再診数、自費収入金額をエクセルでA4用紙にまとめます。各項目の平均値および前年度平均値と比較できるようにします。ユニット台数を項目に入れることで1台/1日 当たりの診療人数もデータ化します。数字の変化を読み取ることで、診療所の込み具合がわかり、ユニット増設やスタッフ増員のタイミングが予測できます。

 

データベースは時系列で把握することが重要です。財務データ等の3期比較は会計事務所の通常の業務の範囲ですので提供されますが、歯科医院も診療実績データベース(収入内訳)を同じように構築します。3期分のデータがあれば様々な角度から売上推移を把握できて、精度の高い経営分析が可能になります。

 

経営の基本ですが、シンプルに売上・利益が、前年度、前月と比較して高ければ安心で良いわけです。院長は日々診療に専念しています。したがってこれらのデータベースはプリントし、種類別にファイリングしておくとことで忙しい院長がいつでも見られるようになります。診療の合間に効果的な経営戦略を立てられます。

これからは、診療実績分析表等の作成や売上分析が出来る歯科に精通した会計事務所、歯科経営コンサルが得意な会計事務所に顧問してもらうことが理想だと思います。

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