年収の壁~社会保険料の壁とは?

公開日: 2025年03月06日

医療関係者のための医業経営情情報

パートやアルバイトで働いている方の収入が一定以上になると、税金や社会保険料の負担が増え、結果として手取り収入が減少してしまうことがあります。手取り収入が減らないように年収を抑えようと意識する金額のボーダーラインを、いわゆる「年収の壁」といいます。年収の壁には、「税の壁」と「社会保険料の壁」があります。今回は、社会保険料の壁について解説いたします。

社会保険料の2つの壁とは?

一定の要件を満たした場合、健康保険・厚生年金(「社会保険」)に加入し、健康保険料、厚生年金保険料を負担する必要があります※1。 社会保険には、2つの壁があります。

1. 106万円の壁について

以下すべての要件を満たした場合、社会保険に加入する必要があります。

〇 特定適用事業所※2 に勤務している
〇 所定内賃金が月額8.8万円以上である
〇 週の所定労働時間が20時間以上である
〇 学生でない
〇 2か月を超える雇用見込みがある

 

注意点 所定内賃金について

〇 「所定内賃金が月額8.8万円以上」を年収に換算すると106万円(≒8.8万円×12)のため、「106万円の壁」と呼ぶ
〇 所定内賃金には、臨時に支払われる賃金(結婚手当等)、 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)、 所定時間外労働等に対して支払われる賃金(割増賃金等)、 最低賃金法において算入しないことを定める賃金(通勤手当等)は含まない

 

2. 130万円の壁について

特定適用事業所以外で勤務する方については、年収の見込みが130万円以上となった場合、社会保険に加入する必要があります。

注意点 収入について

〇 被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込み収入(過去の収入のことではない)
〇 課税・非課税を問わず、恒常的な収入

 

恒久的な収入の例 恒久的でない収入の例
給与所得、事業収入、利子所得、株式配当及び売却利益、公的年金、雇用保険失業給付(基本手当等)、傷病手当金、出産手当金、労災の各種補償年金、企業年金、個人年金 退職金、宝くじ

現在、政府は、社会保険のさらなる適用拡大を検討しています。現時点で社会保険の加入対象とならなくても、今後、社会保険の加入対象となる可能性があります。社会保険に加入すると、将来的に受給できる年金の増額や、健康保険の傷病手当金・出産手当金を受けられるメリットがあります。将来を見据えて、今後の働き方を検討する必要があるでしょう。

※1 40歳以上65歳未満の方は、介護保険の被保険者となり、介護保険料も負担する必要があります
※2 厚生年金保険の被保険者数51人以上の事業所

 

参考文献等

〇 政府広報オンライン『「年収の壁」対策がスタート!パートやアルバイトはどうなる?』2024/10/30(参照2025/02/10)
〇 廣部正義『健康保険被扶養者認定Q&A』(健康と年金出版社、2009)
〇 厚生労働省“短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q & A 集(令和6年10月施行分)」 ” 2024/10/18(参照2025/02/10)

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