年末調整の電子化とは

公開日: 2024年11月13日

秋になると年末調整に向けて、勤務先と従業員の間で煩雑な紙のやり取りが発生します。 近年は「年末調整の電子化」が注目されており、電子化の範囲が広がるにつれて、手続きがより便利になり、これを導入する事業者も増加しています。医療機関においても同様です。今回は年末調整の電子化のメリットと導入方法についてご紹介します。

 

01. 年末調整の電子化とは

従業員が扶養控除申告書などの複数の書類に基本情報や扶養親族、生命保険料などを記入し、保険料の控除証明書などと一緒に勤務先に提出するのが従来の方法です。
年末調整の電子化とは、従業員がパソコンやスマートフォンを使用して、専用システムに必要な情報を入力し、電子データをアップロードして勤務先に提出する方法です。これにより、従来の書類の手書きと受け渡しが不要になります。

 

02.電子化のメリット

勤務先のメリット 従業員のメリット
■紙のやり取りが不要になり、郵送や手渡しによる手間やタイムラグが解消されます。

■個人情報を記載した書類の紛失や漏洩のリスクが軽減されます。

■紙面の情報を年末調整ソフトに入力する際の転記ミスがなくなります。

■年末調整に関する資料の紙での保管が不要になり、管理が簡素化されます。

■複雑な様式に対して、システムに沿って回答する形式なら比較的簡単に入力でき、書類の作成が容易になります。

■控除額が自動計算されるため、手計算の手間やミスが減ります。

■郵送や持参の手間がなく、Web上で手続きが完了します。

■生命保険料控除証明書を電子データで取得し、システムに取り込むことで、手書きによる転記が不要になります。また、証明書を紛失した場合でも、再発行の手間がかかりません。

 

03. 電子化の導入方法

まずは年末調整ソフトを選びましょう
電子化に対応した年末調整ソフトを導入します。国税庁提供のソフトや市販ソフトの中から、給与計算ソフトとの連携などを考慮して選定します。

ソフトのインストールを行います
従業員のパソコンやスマートフォンに専用ソフトウェアをインストールします。ただし、クラウドサービスを利用する場合にはソフトのインストールは不要です。

従業員は保険会社に手続きを!
控除証明書の電子データの取得に関しては、従業員が保険会社などに発行手続きを依頼する必要があります。マイナンバーカードを利用して、マイナポータルから直接取得できる証明書もあります。この対応の可否には個人差があるため、多くの事業者は引き続き紙の提出も受け付けています。

年末調整の電子化により、従業員はWeb上で手続きを完結でき、記入漏れや控除額の計算ミスが減少します。勤務先も書類の配布・回収、集計、チェックがほぼ自動化され、双方に大きなメリットがあります。完全な電子化を目指すのではなく、段階的に進めることも重要です。従業員の協力を得ながら、効率的な電子化の導入を検討してみてください。

 

(参考) 国税庁 年末調整手続の電子化に向けた取組について
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm

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