近年、歯科医院の人員構成の中で「事務長」の存在が時々見られるようになりました。それは以前あまりなかったことです。保険診療における施設基準の届け出の増加、働き方改革による複雑化した労務管理、将来を見据えた歯科経営戦略、DX化など、院長ご自身や受付スタッフだけでは対応しきれない様々な業務が増えてきたのも一因です。歯科医院の事務長が担当する主な業務内容を挙げると下記のようになります。
| 1 | 窓口収入金の金融機関への預け入れと現金払出し および小口現金の管理 |
| 2 | キャッシュレス決済の売上把握と管理 |
| 3 | 売上管理と請求書管理(買掛金含む)および支払い |
| 4 | 財務全般の記帳業務と領収書管理 |
| 5 | 従業員の給与計算および支給管理 |
| 6 | 従業員の労務管理と行政機関への提出書類作成 |
| 7 | 従業員の勤怠管理、人事考課、および年末調整業務 |
| 8 | 各種税金支払い業務(年間のタイムスケジュール把握) |
| 9 | 不動産会社との賃貸契約と家賃の支払い |
| 10 | 各銀行との取引業務(借入金の申込書作成および折衝) |
| 11 | 生命保険および各種保険契約と管理 |
| 12 | 月々の会計事務所との連携業務 (含む決算、税務調査) |
| 13 | 各種契約書、覚書等の重要書類作成と管理 |
| 14 | 従業員募集の面接および採用業務 |
| 15 | スタッフとのコミュニケーション(院長代理) |
| 16 | ホームページを含む広告全般の管理 |
| 17 | 各メーカー、各ディーラーとの取引および交渉 |
| 18 | 設備の修繕手配や備品の購入管理 |
| 19 | 学会の交通宿泊手配等の院長秘書業務 |
| 20 | レセプト業務と行政手続き関連業務 |
| 21 | 診療実績データ分析表・収支バランスシートの作成 |
| 22 | 院内の仕組みづくりと各種ツールの作成業務 |
| 23 | 歯科医院全般のDX化の推進 |
昨今の様々なルールが取り巻く中では、歯科医院経営も治療だけすれば経営が成り立つという状況ではなくなりました。上記の業務を院長ひとりで行うにはとにかく時間が足りません。
また視点を変えて、リニューアルや移転、医療法人化、分院展開、MS法人の設立など、院長がやりたい事を形にするには事務長がいた方が力強いです。事務長は治療以外の領域の仕事をこなせる、経営面の補佐役(参謀)にもなります。
しかしながら、事務長を雇うためにはそれなりの売上が必要です。最低でも年間売上6千万以上、できれば1億以上が理想です(ユニット5台以上、従業員10人以上が目安)。開業当初から事務長がほしいと思っている院長もいます。現状では事務長に適した人材は中々見つかりませんが、院長の奥様、子供、院長の兄弟、親戚、元歯科メーカーおよびディーラーの社員、元会計事務所の職員、従業員の中からの抜擢、知り合いからの紹介など、一番大切な「信頼」がおける人材を見つけましょう。
歯科医院における事務長に求められるスキルとバックグラウンド別注意点
事務長を採用し歯科クリニック経営を安定させるにはどんな人材が必要?事務長に必要なスキルとバックグラウンド別の注意点を解説します。
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