
年末も近づき、そろそろ確定申告の対策を考える時期となりましたが、ご準備はいかがでしょうか?令和4年分の所得税の確定申告期限は令和5年3月15日(水)、消費税は令和5年3月31日(金)です。開業医ならではの優遇税制もありますので、ポイントをピックアップしてお伝えします。
事業所得の金額は、1月から12月までの医業に関するすべての収入からすべての経費を差し引いて計算します。事業所得を計算する上で、政策上の配慮から医業に限り特別に設けられている制度として、「租税特別措置法第26条に規定する社会保険診療報酬の所得計算の特例」という制度があります。
これは、必要経費の額に措置法差額(租税特別措置法第26条の規定による必要経費の金額と保険診療分の実際の必要経費の差額)を上乗せできる制度です。但し、収入金額により制限がありますので適用の可否の確認が必要です。
消費税の判定や計算は複雑で間違えやすいところですので、次のポイントについて確認しましょう。
| ① 「課税事業者」と「免税事業者」の判定 ② 「課税取引」「非課税取引」「不課税取引」などの判定 ③ 「一般課税方式」と「簡易課税方式」の判定 ④ 消費税に関する届出の要否 |
消費税の計算への影響として、令和5年10月1日より「インボイス制度」が始まります。消費税の仕入税額控除の方式が適格請求書等保存方式に変わる、というものです。クリニックや関係会社においても適格請求書発行事業者の登録が必要となる場合があります。
「税額控除」や「特別償却」という制度は、所得税をダイレクトに減らすことのできる制度です。これらのうち、医業においても適用できる制度、あるいは政策上医業のために特別に設けられている制度があります。それぞれの制度の要件を確認し、12月中に要件を満たすことができるように準備しておきましょう。
| ① 所得拡大促進税制 ② 高額な医療用機器の特別償却制度 ③ 医師及びその他の医療従事者の労働時間短縮に資する機器等の特別償却制度 ④ 医療用機器の効率的な配置の促進に向けた特別償却制度 ⑤ 地域医療構想の実現のための病床再編等の 促進に向けた特別償却制度 ⑥ 中小企業投資促進税制 ⑦ 中小企業経営強化税制 |
最後に、確定申告を機に検討すると良いと思われることをお伝えします。
| ① 医療法人の設立 ② 事業承継 ③ 相続対策 |
医療法人の設立については、確定申告における課税所得金額が1800万円を超えたとき、あるいは経営が好調で事業計画として分院展開を検討したいときなどが、医療法人化の良いタイミングと言えるでしょう。
事業承継や相続対策も重要な問題です。医業における後継者の問題と、承継時期及び承継方法、これらを踏まえた相続対策を日頃から意識しておくことでスムーズな承継に繋がります。専門家にご相談し、シミュレーションを含めて対策をご検討されることをおすすめします。
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