
厚生労働省の令和4年4月末時点の医療動態調査によると医科診療所の43.4%、歯科診療所の23.6%は医療法人が経営しており、診療所の開設件数は東京、愛知、大阪などの主要都市を中心に年々増加しています。
「 医療法人化すべきかどうか」は院長先生から毎年多くご相談いただいておりますが、個人クリニックの所得が非常に多くなった時や、分院展開の計画があるときなどは、医療法人化を検討するタイミングです。1年間の収支予想が判明する秋以降に、翌年の計画を立ててみてはいかがでしょうか。
医療法人設立の申請はいつでもできるわけではありません。医療法人を設立するためには、都道府県知事による『認可』が必要となります。申請時期は都道府県にもよりますが、年2~3回しかありません。
かなり多くの資料を提出することとなりますので早めに準備する必要があります。また申請スケジュールや書類提出方法等も各都道府県により異なりますので事前の確認や準備が必要です。検討するにあたり、まずは医療法人のメリット・デメリットを整理しておきましょう。
| メリット | デメリット |
| ・実効税負担の軽減(法人税と所得税) ・役員(親族)に対しての所得分散 ・社会的信用が高まる ・決算期が選べる ・分院や介護施設等の併設が出来る ・事業承継の手続きが比較的スムーズに行える ・個人と法人の財産・債務をきちんと区別できる |
・資金の自由がきかない ・社会保険の加入が義務となる ・法人が赤字でも納税がある(均等割) ・移転や分院、名称変更は定款変更となるので 都道府県に事前報告し、認可を得る必要がある ・理事長、理事の報酬は年に1度の変更が基本 ・個人時代の運転資金としての借入金の引き継ぎが不可 ・解散清算の場合は残余財産が国・地方公共団体に帰属 |
・医療法人名(医療法人社団〇〇会 医療法人〇〇が多い)
・役員就任予定者(理事長1名 理事2名 監事1名 理事の未成年者は不可、監事は親族及び取引先は不可)
・確定申告書2期分
・直近の月次試算表
・来患者資料(1年間)
・開設時保健所提出資料一式
・賃貸借契約書、リース契約書
・理事長、理事、監事の履歴書
・その他
よくご質問をいただきますが、申請は院長先生ご自身で行うことも可能です。しかしながら、100ページ以上にもわたる申請書のご準備や行政との手続き、やり取りを含めますと、スピーディ且つ確実に移行を行うためには専門家へご依頼されることをおすすめします。
「経営が安定してからの申請」はポイントのひとつとなります。例えば開設から1年に満たない期間で医療法人の申請をしても、受理されることは基本的に難しくなります。経営基盤を整え、将来の税金や後継者のことも考慮に入れて、検討されるとよいでしょう。
医療法人設立の手続きとは?
医療法人を設立する場合、様々な認可申請が必要です。東京都を例に、認可申請スケジュールや設立認可後の各種手続きについて解説します。
医療法人設立時の労務の行政手続き
医療法人設立時、労働保険や社会保険など、労務で必要となる行政手続きについてコンパクトに分かりやすく解説しています。