
医師のための令和8年税制改正のポイント、第3回は【所得税】「NISAの拡充等」について解説します。
貯蓄から投資への流れを加速し、かつ、幅広い世代の資産形成を支援するという観点から、つみたてNISA の対象年齢の緩和や、投資対象商品の追加などを行い、経済成長を後押しします。
① 対象年齢の拡充
つみたて投資枠の対象年齢が拡充され、改正前は18歳以上とされていましたが、改正後は下限を撤廃し、0歳から積立を行うことが可能となりました。これにより、次世代の資産形成の支援だけでなく、経済教育の観点からも効果が期待できます。
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | ||
| 対象年齢 | 0~17歳 | 18歳以上 | |
| 投資上限額 | 年間60万円 | 年間120万円 | 年間240万円 |
| 非課税保有期間 | 17歳まで | 無制限 | |
| 生涯非課税限度額(総枠) | 600万円 | 18歳に達した場合自動的に移行 ※1 | 1,800万円 |
| 1,200万円(内数) | |||
| 投資対象商品 | 積立・分散投資に達した一定の投資信託(同右) | 積立・分散投資に達した一定の投資信託 | 上場株式・投資信託等 ※2 |
| 運用管理 | 一定の要件の下、12歳以降は払出しが可 | 無制限 | |
※1 18歳に達した場合は自動的に上記図表の18歳以上のつみたて投資枠に移行されます。
※2 安定的な資産形成につながる投資商品に絞り込む観点から、高レバレッジ投資信託などを対象から除外。
② つみたて投資枠の対象株式指数の追加
つみたて投資枠の対象となる指数について、国内経済への投資促進効果への期待から、国内市場を対象とした株式指数のうち一定のものが新たに追加されます。また、一定の広がりのある地域を対象とした、先進国・新興国の株式指数単位で形成された投資信託商品も併せて追加されます。
新たに追加された指数:読売株式指数、JPXプライム150指数
③ 投資対象商品の要件緩和
つみたて投資の対象商品である一定の投資信託の要件が「投資対象の50%超が株式又は債券であること」へ緩和され、債券中心の商品が追加されます。投資対象商品が増えることにより、リスク許容度が高くない若年層や高齢層が投資の第一歩を踏み出す起因となるような期待ができます。
2027年1月1日以降に開設されたNISA 口座から適用
令和8年度税制改正により、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置がこれまでの利用実態や格差固定化の懸念から、適用期限の期限到来(令和8年3月31日)と同時に終了となります。一方で、本改正によりつみたてNISAの対象年齢が拡充されたことのみならず、教育費の無償化や負担軽減の促進といった現代の背景も鑑みると、特に若年層向けの資産形成を後押しする意図を感じます。
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この記事の監修者
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大谷 朋子 本郷メディカルソリューションズ株式会社 税理士/行政書士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士 大手金融機関、税理士事務所勤務を経て、辻󠄀・本郷税理士法人に入所。医療機関の税務顧問を中心に、相続対策や医業承継業務など幅広く従事。現在、本郷メディカルソリューションズ株式会社においても、持分なし医療法人への移行支援業務をはじめ、医療法人設立、M&A事業等に参画している。 |
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