認定医療法人制度活用

医療法人社団歯聖会 ファミリー歯科医院

千葉県流山市で長年にわたり、地域の歯科医療を担ってきた医療法人社団歯聖会 ファミリー歯科医院。2024年4月、創業者である武田 貢先生から長男の宗一郎先生へと理事長のバトンが渡されました。まさに理想的と言えるスムーズな親子間承継の背景には、将来を見据えた周到な準備と、相続という大きな課題を解決するための「認定医療法人制度」の活用がありました。ご家族への深い愛情を原動力に、次世代へ医院を託すための最善の道を選んだ前理事長の貢先生、そしてその想いを引き継いだ現理事長の宗一郎先生にお話を伺いました。

前理事長 武田 貢先生
DATA
医療機関名 医療法人社団歯聖会 ファミリー歯科医院
診療科目 歯科
所在地 千葉県流山市西初石3-1446-26
URL https://www.familyshika-clinic.com/

はじめに、ご子息である宗一郎先生への事業承継を考え始めたきっかけと、そのタイミングについてお聞かせください。

60歳をひとつの区切りと考える方は多いと思いますが、私も還暦を過ぎたら次の段階のことを考えなければならないと、前々からそう思っていました。やはり大きかったのは「家族の幸せ」を考えたときの思いです。自分が亡くなった時、子どもたちに迷惑をかけるのはどうしても嫌でした。

そうならないように、早い段階から事業承継や相続に関する情報収集を始め、顧問税理士の先生にも相談していました。少しずつですが資産も増えていたため、承継における最大の課題は相続だと感じ、「このままでは相続で子どもたちに負担をかけてしまうのではないか」という心配も強まっていきました。子どもたちに不安を残さず、安心して未来を託せるようにしたい、そんな思いが、どのような形で事業承継すべきかを真剣に考える一番のきっかけでした。


 

当時はどのような対策をお考えだったのでしょうか?

顧問税理士の先生からは、私の死亡時に退職金を支払って出資持分の評価額を下げ、それから相続するという方法を提案されていたのですが、「自分が死んだ後の話か…」と思うとあまりにも不確定で不安でしたので、他にもっと良い方法はないか模索していました。 そんな時、参加したセミナーで「認定医療法人制度」のことを知りました。持分なし医療法人への移行については、以前は親族要件などが厳しかったので選択肢から外していたのですが、大幅な条件緩和で利用しやすくなったと知ったのです。それがきっかけで、そのセミナーを主催していた本郷メディカルソリューションズに一度話を聞いてみようと思いました。

 

顧問税理士の先生からは別の方法を提案されていた中で、ご自身で情報収集され、決断されたのですね。

顧問税理士の先生は個人事務所の方ですし、当時はまだ、持分ありからなしに移行した医療法人の事例も少なく、判断が難しかったと思います。セミナーをきっかけに、医療専門である本郷メディカルソリューションズから話を聞いて、この制度を利用することが、後を継ぐ子どもに迷惑をかけずに済む最善の方法だと確信し、「やろう」と決断しました。色々と調べてはいたものの、私にとっては未知の部分が多い制度ですし、どのくらい大変なのかもわかりませんでした。だからこそ、認定医療法人制度利用の支援実績を持っていた本郷メディカルソリューションズにサポートを依頼することにしました。

 

移行のプロセスを振り返ってみて、ご苦労や大変に感じられたことはありましたか。

例えばMS法人との関係など整理が必要な部分もありましたが、そこまで大きな苦労もなく、全体としては非常にスムーズに進んだと思います。本郷メディカルソリューションズのご担当の方もしっかりしていて、かつ気さくな方で、何を聞いてもすぐに返事をいただけたので安心してお任せできましたね。顧問税理士の先生も協力的にサポートしてくださいました。移行のプロセス開始から約10ヶ月後には、無事に厚生労働省の認可を得ることができました。

 

持分なし医療法人へ移行後の変化や、今のお気持ちについて教えてください。

声を大にして言いたいのは、「本当にやって良かった!」ということです。相続に対する心配がなくなったことで肩の荷が下り、気持ちがとても楽になりました。子どもにも胸を張って「安心して継げるよ」と言えるようになったのは、私にとって大きな変化です。

また、持分なしへの移行後は、将来必要となる投資に備え、法人へ資金を蓄える方針に転換しました。例えば建物のリフォームや診療台の入れ替えが必要になった際に、法人に備えがあることは大きな安心につながります。これも子どもにとって承継後の力になると感じています。

今では、まわりの先生方にも「持分なしにした方がいいですよ」とお勧めしています。相続の不安がなく将来が見通せるのは、承継にとって何よりの安心材料です。もし負担の大きい相続税や贈与税がかかるとなれば、本当は継ごうと思っていた人も継ぎたくなくなるかもしれない。だからこそ、私はこの決断をして本当に良かったと思っていますし、規模が大きくなって相続についてお悩みの先生がいらっしゃれば、ぜひ前向きに、認定医療法人制度の活用を検討していただきたいですね。

 

先生がお考えになる、スムーズな親子間承継の秘訣とは一体何でしょうか。

私自身、歯科医師は素晴らしい仕事だと心から思っているので、子どもたちが生まれた時から同じ道を歩んでほしいと願っていました。そのために、子どもの前では仕事の愚痴や、歯科医師の悪口を絶対に言わないと決めていました。親が文句ばかりを言っているようでは、子どもはその仕事に就きたいと思わないですよね。

他にも、患者さんからお菓子を頂いたら家に持ち帰って「歯科医師はこんな素敵なものがもらえる、いい仕事なんだ」と思ってもらえるようにしたり、家族旅行にもよく連れて行きました。もはや“洗脳”とも言えますが(笑)、これが重要だったと思いますし、協力してくれた妻にも本当に感謝しています。おかげさまで二人の息子はともに歯科医師となり、長男は本院を、次男はおおたかの森にある分院をそれぞれ継いでくれました。長女も歯科衛生士の道を歩んでいます。

私は60歳の頃から承継について真剣に考え始め、65歳で院長を引退すると心に決めていました。人生設計は早めに計画するに越したことはありません。そして何より、親子間のコミュニケーションと、一緒に決算書を見るなどして財務状況の共通認識を持つことも重要だと思っています。

私が医院名を「ファミリー歯科医院」と名付けたのは「患者さんもスタッフも家族」という想いを込めたからなのですが、図らずも本当にファミリーで営む歯科医院となりました。まず第一に患者さんを大切すること。それと同じようにスタッフも大切にすること。そして兄弟・家族も大切に。子どもたちに創業時の私の想いも一緒に引き継いでもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。

 

現理事長の宗一郎先生にもお話を伺いました

お父様の医院を承継する道を選ばれた理由をお聞かせください。

父がこの流山という地を選んだことは、本当に大きかったと思います。流山市は現在も人口が増加しており、医院の売上も継続して安定していましたので、むしろ継がない理由はありませんでした。父が、良い場所かつ良いタイミングで基盤を整えてくれていたおかげで、迷いなく承継に踏み切ることができたと思います。相続の負担についても共有は受けていましたが、父が長年準備を重ねてすべて対応してくれていたので、私は安心して話を聞くだけで済みました。父にはとても感謝しています。

医院を承継された今、院長として心掛けていることや今後の展望について教えてください。

私は何より「人を大切にすること」に重点を置いています。承継後のスタッフの離職を避けるため、スタッフとのコミュニケーションを密に取ったり、勤務時間の短縮など働きやすさを意識した取り組みも進めています。また当院は予防中心の歯科医院なので、歯科衛生士の採用にも注力しなければならないと思っています。歯科衛生士学校からの実習生を積極的に受け入れ、優秀な方はそのまま就職してもらえるようスカウトもしています。

今後の展望としては、10年先を見据えるよりもまず直近の3~5年にフォーカスを当てて、承継後の基盤を確かなものにしていきたいと考えています。今後父の勤務が少しずつ減っていく中で、その変化を補いながら、これまでの安定した売上と診療体制を維持することが目標です。スタッフと共に、これまで培われた信頼と医院の歩みを確実に引き継いでいきたいと思います。

 

インタビューを終えて…

「子どもに迷惑をかけたくない」「妻に感謝している」など、インタビュー中に何度もご家族への思いを口にされていた貢先生。宗一郎先生への承継はとても自然な流れのように見えますが、その背景には日頃からの経営の勉強や、相続や承継に関する情報収集など、貢先生の綿密な準備と努力がありました。開業当初はまだ注目されていなかった流山の地も、今では人口増加に伴い大きなポテンシャルを持つ地域へと発展しました。その先見性も相まって、誰もがうらやむ円満な事業承継を実現されています。「息子が継いでくれて、人生少しはうまくいっているのかな。」と少し照れながら話される先生の笑顔は、家族の未来に対する安心感に満ち溢れていました。私たちとしても、その大切なバトンを次世代へつなぐお手伝いができたことを心より光栄に思います。

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